1998/4 No.11 日本都市計画学会 関西支部だより

視点
阪南地区・長屋の街並み

小浦 久子 大阪大学


 阪南は、昭和初期に東成郡天王寺村の土地区画整理(組合施行)による宅地開発で生まれた「まち」である。東西60間、南北20間の街区に、背割りで間口2間の長屋が整然と建ち並んだ。玄関先の前庭を塀で囲み門構えをもつ長屋が並ぶ阪南のまちは、新しい都市住宅のつくる街並みをつくり出したのであった。平成に入り急激に建て替えが進み、北畠住宅や洋風長屋など通りで残っているところもあるが、もはや長屋の街並みは消えつつある。

 それでも街区や敷地構成にはほとんど変化がない。土地に継承されている空間構造は変わらないが、新しい都市住宅の型を見いだせないまま、プレファブ住宅をはじめ多様なタイプの住宅による個別の建て替えが進む。その中で玄関先の緑や塀際に並ぶ植木鉢に、住まい方が続いていることを見る。




前ページ


11号・表紙


次ページ

Copyright(C)1999 (社)日本都市計画学会関西支部