1998/4 No.11 日本都市計画学会 関西支部だより

大学の動き
京都大学工学部に「地球工学科」誕生

青山 吉隆 京都大学工学部地球工学科


 平成8年4月1日、「地球工学科」が誕生した。平成5年より始められた京都大学工学部の「平成の大改組」が、この「地球工学科」の誕生により3年ぶりに完了したことになる。この「平成の大改組」は、大学院重点化を目指し、伝統的な基礎分野での人材の育成を十分に尊重しながらも、従来の個々の学科を大きくまとめ、従来の工学部23学科を、工業化学科、電気電子工学科、情報学科、地球工学科、建築学科の6「大学科」に統合するものである。

 土木系教室(土木工学教室、交通土木工学教室)、衛生工学教室ならびに資源工学教室の4学科は、1つの「地球工学科」という大学科(土木工学コース、環境工学コース、資源工学コース)に統合され、学部教育の充実に当たることとなった。

 また、大学院専攻は、「土木工学」、「環境工学」、「土木システム工学」、「資源工学」、「環境地球工学」の5専攻となり、その研究分野は、(a) 全地球・地域現象の観測・解析とその情報分析、(b) 空間創出・施設構築、(c) 新資源・エネルギー創出・資源循環システム、(d) 新材料応用・新技術開発、(e) 防災・安全・信頼性、(f) 風土・文化・歴史・心理・景観・アメニティー・快適性、(g) 保健・衛生・環境リスク軽減、(h) 総合計画・管理・情報処理・人工知能、(i) 交通・運輸・通信システムなどである。都市計画関係の研究はこれらの分野で多角的に行われることになる。

 このように、地球工学は、自然の営みの中で人間の存在を主張する基本的な技術であり、地球人類の持続可能な発展に関わるシステムの中の、資源・エネルギー、インフラストラクチャーおよび人間・自然環境に関するメインシステムである。

 地球工学科は、地下20kmから地上4万kmにおよぶ広大な空間を視野に入れ、資源・エネルギー、インフラストラクチャーおよび人間・自然環境などの分野を専門とする技術者、研究者、行政官など、国際的レベルで活躍できる人材の育成を目指している。

 大深度地下から、海へ、宇宙へとフロンティアを広げ、「地球工学科」は、21世紀において、地球人類の持続可能な発展のための第一歩を踏み出したところである(*参考文献:京大土木百周年記念誌、1996.6)




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