1998/10 No.12 日本都市計画学会 関西支部だより

小特集
江坂公園・5つのこころ

山本 範人 日建設計


 施設のリフレッシュに加えて新たな駐車場・駐輪場の設置と隣接する大同生命ビルへの歩道橋の整備が求められた江坂公園は、公園の西半分に交通施設と図書館、緑化推進施設等の構造物を半地階レベルに設け、その上を歩道橋の高さに合わせて丘として開放することによって生まれ変わった。(吹田市・地下鉄御堂筋線江坂駅東)
 
■花のある橋で緑を結ぶ
 歩道橋の高欄部にプランターボックスを設け、大同生命のアトリウムの緑と公園の緑を結ぶ提案をした。下の道路に植物を投げる危険を懸念する意見や植物のメンテナンスを心配する意見が出たが、プランターにステンレス格子を設ける処置等で関係者の理解も得ることができ、花のある橋が実現した。
 
■人と地球にやさしい地下駐車場
 駐車場は入り口に車を乗り捨てれば後は自動的に車を収納してくれる排気ガス発生の少ない平面往復機械式とした。駐車が苦手な初心者や女性ドライバーが使いやすく公園の環境にもやさしい駐車場となった。また、地下構造体のヴォリュームを小さくして掘削土量を減らし、いささかではあるが地球にやさしい駐車場にすることができた。
 
■多世代対応型公園
 花とみどりの情報センターは展示や緑の相談コーナーとして利用される一方、隣の江坂図書館で借りた本を読んだり、お弁当を食べたりと休憩スペースとしても活用されている。ハーブ・コニファー園はベビーバギーを操る若いママ達で賑わい、夕食に入れるハーブを調達するチャッカリママもいると聞く。わんぱく広場、ちびっこ広場の木造遊具も子供達の関心を集めている。
 
■地下の灯りでライトアップ
 夜の公園の風景づくりとして、駐車場や駐輪場等の地下施設から漏れる灯火を活かした照明計画とし、庭園灯レベルを心がけた。若者たちのデートスポットになればと思う。
 
■緑の継承
 立派に育った樹木が多かったため、それらを活かして新しい植栽配置を計画した。周辺住民から残すように要望があったポプラ並木は、そのまま残すのが危険なため、代わりに若いポプラを植えて公園の原風景を保った。長年親しまれた公園の面影を次世代に引き継ぐことができればと願ってやまない。
 
(掲載誌、新建築1996年12月号、ひろば1997年3月号)



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