1998/10 No.12 日本都市計画学会 関西支部だより

委員会から
第2回都市計画講演会


1)概要
テーマ:COP3(地球温暖化防止京都会議)が問いかけるこれからの都市・地域づくりの方向性
講 師:内藤 正明(京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻教授)
司 会:榊原 和彦(企画・事業委員長 大阪産業大学工学部)
日 時:1998年2月27日(金)10:00〜12:00
場 所:ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)
参加者:35名
 
2)講演概要
 [報告:榊原 和彦 企画・事業委員長(大阪産業大学工学部)]
《趣旨》
 先般の京都会議で対象となったCO2の排出制約に象徴されるように、地球環境問題はこれからの社会のあらゆる側面に様々な変化をもたらすと考えられる。それはライフスタイルや社会・経済の仕組みなどソフト面と同時に、技術や産業システムから都市・地域づくりなどのハード面にも及ぶだろう。この変革の方向と内容を、いまの世界の動きの中から想定し、それに立って21世紀のあるべき社会像を予見していただいた。
《講演要旨》
 講演では、まず、地球温暖化問題を考えると地球全体でCO2は60%削減される必要があるが、議定書を受け、最終的に6%の削減が決まったわが国における政府の立場は、現在のシステムを前提に環境保全をするというものであり、そこでの社会像は、技術依存のフロンティア社会、メジャー支配の市場社会であることが述べられた。しかし、求めなければならないのは、新たな自立型社会像であり、環境共生の持続型社会であって、そのためにも、二酸化炭素排出の少ない、都市・地域構造、交通体系、生産構造、エネルギー供給構造を形成し、それに適合するライフスタイルを実現しなければならないことが指摘された。
 また、環境庁の施策は、@公害防止計画、第一次環境管理計画、Aアメニティ・タウン、広域環境管理計画、Bエコポリス計画、第二次環境管理計画、C環境調和型社会と環境基本計画、という風に変遷してきたが、これは、将来的には、エコビレッジやエコタウンを含むエコトピアになっていくこと、さらに、エコノミーとアメニティを秤にかけ、それらとエコロジーとを秤にかけて将来の社会のあり方を決めていく必要があることなどについて言及された。
 そして、COP3が問いかけるのは、"つけ"を最早どこにも持っていけないということであり、CO2排出権も一人一人に対して決まってくると考えるべきであることや、"処理"とは間違った概念であり、全てはもとに戻り循環するべきもので、やむを得ぬ場合のみに環境付加がかかるべきであるという認識の下で、廃棄物の出ない資源循環システムである「ゼロエミッション」を目指すべきことを、屋久島や産業団地の例を引きながら示していただいた。そして、トータルとしてどういう社会にもっていくか、シナリオを描き、環境共生型社会となるよう、都市全体が変わっていかなければならないことが指摘された。



前ページ


12号・表紙


次ページ

Copyright(C)1999 (社)日本都市計画学会関西支部