1998/10 No.12 日本都市計画学会 関西支部だより

委員会から
第3回都市計画講演会


1)概要
テーマ:先達に聞く−震災と復興まちづくり−
講 師:小坂 清(飛島建設梶j
司 会:榊原 和彦(企画・事業委員長 大阪産業大学工学部)
日 時:1998年3月25日(水)14:00〜16:00
場 所:神戸国際会議場
参加者:45名
 
2)講演概要
 [報告:榊原 和彦 企画・事業委員長(大阪産業大学工学部)]
《趣旨》
 講師の小坂清氏は、神戸市において長く都市計画、建設行政に携わってこられており、現在は、こうべまちづくり推進員として、震災復興の都市計画事業の対象外である湊川町において、住民自らの手による土地区画整理事業の実現にご尽力されている。本講演会では、湊川町復興の経緯とこれからについてお話を伺った。
《講演要旨》
 小坂氏は、まず、湊川町1・2丁目地区の被災状況と、当地区が神戸市の復興事業の対象にならないいわゆる「白地地区」であることを述べられ、被災者が平成7年4月にまちづくり協議会を結成し、各自の意向に応じて一戸建てと共同住宅が調和したまちづくりを行うためには、住民自らの手による組合施行の土地区画整理事業の手法を採るのが最も効果的であるという判断に至った経緯について紹介された。そして、事業を進める過程で顕在化した、一戸建ての所有者と共同住宅で再建を望む土地所有者の間の感情的対立について言及され、市の精力的な調整などにより再建組合準備会が発足したこと、徹底した地権者個別の意向把握により、@被災戸建住宅の早期再建と狭小住宅の集合共同化の促進、A私道提供による公道の整備住民主導による安全、B快適な住宅地づくり、の3つの目標のもと、事業施行方針と計画図素案が策定されたこと、早期復興という時間的制約があるため、可能な所から順次施行するステージ方式をとったことなど、平成8年11月に組合が設立されるまでの取り組みについて述べられた。さらに、この手法の課題として、自主財源がなく経費が不足すること、現実に即応したインスタント的で変則的なまちづくりになることなどを指摘され、種々の工夫や制度上の改善を加えて、平時の密集市街地における民間主導の再開発に活用していくべきことを提案された。



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