1999/4 No.13 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
尼崎市交通局ノンステップバス導入

杠 典英 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所 研究第一課主任研究員


 平成9年3月に国産のノンステップバスが運行して以来、全国各地でその導入の動きがでてきています。このバスは障害者や高齢者等にとって乗降しやすいとの評価があり、普及を求める声があがっています。そこでノンステップバスの先進都市であります尼崎市交通局の導入状況を紹介します。

 尼崎市交通局では、平成10年4月に11台のノンステップバスが運行し、さらに平成10年度にも10台を導入するなど積極的な取り組みがなされています。今後毎年10台程度をノンステップ車で更新することとし、誰もが乗りやすいバスを目指しているところです。

 尼崎市は兵庫県の南東部に位置し、人口約48万人の都市です。市域は、ほぼ市街化され、比較的平坦な地形になっています。交通機関として、東西にJR神戸線他2つの鉄道が走り、また尼崎市バスをはじめ4社の路線バスが運行されているなど、交通網が充実しています。特に尼崎市バスは昭和23年に発足して以来、市民の足としてその役割を果たしてきました。

 しかしながら、バス利用者は年々減少し、尼崎市交通局においては昭和42年度の一日127,700人をピークに、現在は半分以下の利用者数となっています。また阪神淡路大震災以降さらに減少が進んでいます。

 こうした背景のもと尼崎市交通局において、路線の見直しと車両の検討が行われ、ノンステップバスの運行に至りました。このバスの導入は、市営バスの利用促進とともに高齢者・障害者などすべての人にやさしいバスとして、自立して共に生きる福祉社会の現実に向けた取り組みの一つに位置づけられています。また車両の特徴としてアイドリングストップ機能を備え、環境にもやさしいバスを目指しています。

 バス運行に先立ち、バス停の改良や市内の障害者団体などにバス構造の説明会を開催するなど調整を行っています。その結果、まだ少数ではありますが、従来バスに乗車されていなかった車いす利用者がバスを利用するようになってきています。また一般乗客においても、乗降のしやすさについては異論のないところで、おおむねこのバスの評価は良好であるようです。




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