1999/4 No.13 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
街の多言語化プロジェクト

福神 岳志 神戸アジアタウン推進協議会事務局長


 阪神・淡路大震災の被災地である神戸市長田区は関西でも有数の外国人の多住地域であり、震災前は人口約13万人のうち28ヶ国1万人を超える外国籍住民が暮らしていました。このような長田に大震災が襲った時、緊急時に言葉が通じなくて大切な情報を得られず困ったことがたくさんありました。

 私たち神戸アジアタウン推進協議会ではこのような長田の街の地域性を活かし、ここに住むすべての人が住みやすい街作りを目指し、街の中の根幹的情報源である標識などのサイン施設に注目し、多言語化を進める活動を行っています。

 多言語化を行うことにより、日常時に日本語の不自由な外国人の人々が生活しやすい環境づくりを進められると共に非常時の避難・誘導をスムーズにする防災上の効果もあります。また、日頃から各国の言葉が表記されているサインに地域住民が接することにより、お互いの文化を理解していくことにつながると共に、多文化の魅力がやがて街の魅力・個性につながり、街を活性化していく第一歩になると考えます。

 具体的に私たちが手がけた事業としては、まず日本に暮らす外国人の人々にアンケートをとり、多言語化されていなくて困ったことや多言語化するにあたって必要な事柄を聞くことから始めました。そしてその内容を踏まえ、道案内の標識を日本語・ハングル・ベトナム語・中国語・英語の5言語で地域住民の人々と共に制作しました。さらに、地域の台所である市場の多言語案内看板も制作し、区役所に関しては多言語の庁舎案内冊子を作成し、必要な方に無料で配布しております。

 私たちの活動は震災がきっかけとなって始めた活動ですが、他の街でも必要な活動と考えていますので、被災地でのこの経験をぜひ多方面に広めていきたいと思います。

rom神戸アジアタウン推進協議会 福神岳志
KobeAsiatownPromotionCouncil
Tel.078-737-5544
Fax.078-731-6927
asiantown@ro.bekkoame.ne.jp



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