1999/4 No.13 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
「ケアドーム春日」−福祉のエキスを注いだ地域づくり−

高瀬 博章 春日住民福祉協議会


 "都会の田舎"、つまり京都・上京は大都市にあって、今も田舎に似た地域コミュニティを育んでいる町だと言えます。

 上京は、平安京時代に始まり、東京遷都を契機に、町衆の心意気をしめした小学校づくり等、『自治』を育ててきた庶民の営みの歴史を受け継いでいます。しかし、上京でも自治活動が、活力を失いつつあることは残念でなりません。

 この上京区の一画にある私たちの春日学区では、この30年来、自治活動の活性化をはかっていくためいろいろな取り組みをすすめてきました。自治活動の面からマンション建設に際した環境保全活動、お年寄り等を火事や事故、犯罪から守る各種教室・見守り訪問活動、心なごませるお年寄りと子どもたちのふれあい活動など、住民の発想を元に自治活動を進めてきました。

 気づいてみたら、これが住民参加の福祉活動そのものになっていました。こうしてできた地域土壌に、多分野・多彩な専門の機関・個人から、いっぱいの福祉の種と肥料を提供していただいています。地域は着実に豊かさを増しています。

 地域づくりとは、住民が主人公となって、共同の意識と生活の基盤づくりをすすめていく『自治』活動を新しく再生していくことでしょう。その基盤づくりの決め手になるのが『福祉』ではないでしょうか。

高齢社会・少子社会となった今だからこそ『福祉』から抽出したエキスを自治活動に注ぐことが不可欠になっているのです。子どもからお年寄りまで、それぞれに応じた支え合いがあるまち『ケアドーム春日』が私たちの地域づくりのテーマです。




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