1999/4 No.13 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
ユニバーサルデザインの公園づくり

三宅 祥介 SEN環境計画室


 デザインは、本来受け手の顔がはっきりとあって、その人々に向かって発信する「作法」のようなものである。しかし公園(パブリック・パーク)のように、受け手が不特定多数のパブリックの場合は、その作法はとても難しい。発信する側は、仮想の受け手に向かって語ってゆかなければならない。仮想の受け手は無限である。私はその作法の一つとしてユニバーサルデザインを用いている。デザインという行為におけるユニバーサル(普遍性)とは、より多くの受け手を仮想し、より多くの選択肢を持たせることであろう。ユニバーサルデザインは、別名で「デザイン・フォー・ライフスパン」ともいわれる。生まれてから死ぬまで、人間は変容を繰り返す。その変容の姿を、仮想の受け手のバリエーションタイプとする考え方である。

 「りんくう公園・シンボル緑地」は、関西新空港の前島である「りんくうタウン」の海際にある。ここでの仮想の受け手は、りんくうタウンを訪れる家族、空港で少し時間のできた外国人、身近に自然を感じたいと思う親子、海に沈む夕日を見に来るカップル、その他。そしてそれらの人々の構成は、健常者、身体・心身障害者、高齢者、子供、時間のない人等、「すべての人」である。それらの人々が、与えられた情報に基づき、体力、運動能力に応じて、ルートや場所を自らの意志で選択し、時間を過ごすことができることを目指したものである。そしてデザインのもう一つの作法である「感動ある空間」をより多くの人が享受できることを目指したものである。




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