1999/4 No.13 日本都市計画学会 関西支部だより

委員会から
都市計画講演会
第2回都市計画講演会報告


1) 概要
テーマ:環境共生と住まい−実験集合住宅(大阪ガスNEZT21)の居住実験を通じて−
講 師:加茂みどり (大阪ガス株式会社商品開発部)
司 会:増田 昇 (企画・事業副委員長 大阪府立大学農学部)
日 時:1999年1月20日(水)18:00〜20:00
場 所:阪急グランドビル
参加者:20名

2) 講演概要
[報告:増田 昇 企画・事業副委員長(大阪府立大学農学部・教授)]
《趣旨》
 大阪ガスNEXT21は、将来の都市型集合住宅を考え、「環境保全」「省エネルギー」「ゆとりのある生活」の実現を目指す実験集合住宅であり、1994年4月から居住実験が行われている。この居住実験を担当されている加茂みどり様を迎え、5年間の実験を通じて得られた環境共生と住まいに係わる多くの成果や課題についてご講演いただいた。
《講演要旨》
 NEXT21の概要説明の後、住棟緑化、エネルギーシステム、アクアプールシステム、住宅の長寿命化について説明され、最後に環境共生と住まいに関する講師の考えを述べられた。
 住棟緑化では、野鳥の飛来を誘導するための仕組みや里山的な植生を創出するための仕組み、壁面緑化が夏期の昇温抑制に有効であるといった実験結果や屋上緑化の断熱効果について説明された。また、里山的な緑化は子どもには素直に受け入れられ周辺住民からも評価が高いものの隣接する居住者や大人の一部からは苦情も発生することも報告された。エネルギーシステムでは、1割がコージェネ、2割が断熱効果により省エネルギーが達成されているが、現在は入居者の努力なしにすべて技術力で省エネを達成している点が問題であると指摘された。アクアプールシステムでは、中水道の導入により約3割の上水道の節減が達成されているものの、現在のシステムの採算性を考えると約3,000戸の集積が必要であるといったことも指摘された。住宅の長寿命化では、スケルトンの耐久性の向上と再利用可能な部材による可変性のあるインフィルの形成によって住宅の長寿命化を図るといった仕組みが報告された。
 最後に、今後はお仕着せ的な共生ではなく自らが係わり合える共生が求められるとともに、個人では達成されないものを集住することによって達成させるためにはコミュニティの熟成が必要不可欠であるといった考えを述べられた。



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