1999/9 No.14 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
事例紹介 4 私たちのまちづくり・公園づくり
 
佐藤 厚子 (六甲道駅北地区まちづくり連合協議会・公園検討専門部会座長)


 JR六甲道駅北地区は、阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受け、震災復興土地区画整理事業でまちが再建されることになり、その中に8,000uの近隣公園と1,000uの街区公園が整備されることになりました。対象となった地域の8つのまちづくり協議会は、「自分たちのまちづくりを自分たちの手で」との思いで集い、連絡会を結成して平成8年4月に「第一次まちづくり提案」を神戸市に提出し、続いて連絡会を六甲道駅北地区まちづくり連合協議会に移行して、まち共通の課題として生活再建、道路・広場、公園について項目別に検討するために5つの専門部会をつくり、その成果を「第二次まちづくり提案」として平成10年4月に神戸市に提出しました。

 公園検討専門部会も勉強会や検討会を重ねて、「人にやさしく子供からお年寄りまでみんなが安心して利用でき、日常的に使いこなせる公園を目指すこと」、「行政との協働による住民主体の公園づくりを進めること」、「地域住民が公園を使いこなし、その運営と管理に積極的に関わることによって住民自身が守り育てて行く公園になること」、「公園での行事の企画・運営や既存の公園を含めた公園の運営・管理のための組織が必要であること」、さらに今後の方向として「公園が具体化するまで行政と継続的な協議をして行くこと」、「設計時からの住民参加の公園づくりを進め、ワークショップを開催して、みんなが参加して公園を考える機会をつくること」等を提案しました。

 提案してから4ヶ月後の8月になって、震災以来そのままになっていた既存の稗原公園(約1,200u)の使用を再開することになり、公園管理会の再登録が必要になったことから公園検討部会で話し合い、これからできる2つの公園も視野に入れて「六甲道駅北地区公園管理会」(従来は稗原町公園管理会という名称であった)を結成しようということになりました。その上で管理会の役割を公園の運営や様々な事柄の連絡調整を行う機関ととらえ、公園の世話は地域住民全員を対象として協力をお願いし、8つのまちが各丁目毎に担当日を決めて手入れをすることとしました。

 「みんなの公園だからみんなで協力して世話をしていこう」を合言葉に、毎週「公園だより」を配布して呼びかけを始めました。どの程度の参加者があるかは見当もつかず、手さぐりで始めた活動でしたが、最初から思いがけない反響があり、回を重ねるごとに参加人数がふえて、毎週日曜日朝9時に、担当日に関係なく全ての地区から、30人を超える人たちが集まるようになりました。

 自分たちで手入れをはじめてみると色々な事に気付き、意見や要望が出て行政との協議も始まりました。こうして私たちは公園について、はじめ考えていたよりはるかに多くの事に私たち自身が関わることができるということを学び、自分たちの手で花壇を作ったりしてますます手入れに熱が入ってきました。

 公園の世話をはじめてから1年、地域の活動にすっかりとけこんでいます。参加者は増え続けていて、しかも毎回、参加する人たちの半数以上が男性です!

 公園は「地域にあるもの」から「地域住民の共有空間であり、コミュニティ活動の場としてみんなで使いこなしていくもの」という共通認識が生まれてきました。新しい管理会の考え方を地域に明確に示し、みんなでしましょうと呼びかけて、毎週公園に集うことで互いに顔見知りがふえて、コミュニティの場ができ、共通の話題がふえました。

 今、公園は井戸端会議の場です。そうじの後であちこちに人の輪ができ、情報を交換したりおしゃべりを楽しんだりしています。

 ワークショップはまだ先の話で、いつになるかわかりません。現在は管理会活動を続けながら、やがて整備される2つの公園の使いこなしに思いをめぐらしているところです。




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