1999/9 No.14 日本都市計画学会 関西支部だより

関西まちづくり賞
選考過程と講評

森 康男 (関西支部長・関西まちづくり賞選考委員長)


 この賞は関西におけるまちづくり、および都市計画の進歩・発展に資することを目的として、一昨年および昨年に相次いで亡くなられました元支部長の仙石泰輔氏および田中孝男氏のご遺族からのご寄付を基金として、昨年度に設けられたものであります。

 表彰の対象はまちづくりに関する調査・研究の成果、計画・設計・事業の成果などの業績、および、まちづくり活動の業績などを通じて、都市計画の進歩・発展に著しい貢献をしたものとしておりますが、規模は小さくとも志にあふれたもの、豊かな着想のあるもの、種々の困難を乗り越えたものなど、支部会員が地域で地道な努力を重ねられて得られた成果の応募を期待したものであります。

 昨年11月に広く候補事業を募集しましたところ、初めての募集にもかかわらず、計12件という多数の応募がありました。

 支部長を委員長とします9名からなる選考委員会を設け、3回の選考委員会を開催し、事業の完成度、会員の関与度、志の模範性、着想の豊かさ、緻密着実性、困難の克服度、および都市計画の発展・進歩への貢献度などの観点から、厳正な選考を行いました結果、第1回関西まちづくり賞は次の2つの事業に贈られることになり、1999年度総会後に表彰式を行い、それぞれの代表者から事業の内容のプレゼンテーションを受けました。


(1) 阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワークによる「神戸市における住民主体のまちづくり活動支援」の事業

(2) 西宮浜地区事業者連絡調整会による「官民協同の新しいまちづくり:西宮マリーナパークシティ」


 前者は、震災以前から主に神戸のまちづくりに関係のあったまちづくりプランナー、コンサルタンツ、建築家、大学研究者らから、自らの手で被災地の復興まちづくりに役立ちたいという思いから結成され、地域横断的に震災直後から活発に活動されました。

 その活動を通して、神戸の復興において、豊かな経験に基づいたきめ細やかな都市計画上の支援を行われ、種々の問題を抱えた市民に対し、市民の関心を高めると同時に、市民の参加意識を深め、住民主体のまちづくり遂行に大きく貢献されたことが、評価されたものであります。

 後者につきましては、震災復興の一翼を担う計画として、官民5つの事業主体が同時に、かつ復興事業として迅速な調整を行うという困難なプロジェクトを克服し、個々の事業主体の個性を尊重しながら、街として調和を持ち、街並みとして優れた景観を持ったまちづくりを完成したことが評価されたものであります。

 なお、今回選にもれました10件につきましても、受賞事業に劣らず熱意あるまちづくりの実績を示されたものでありましたが、完成度、業績の明確さ、独自性などの点で一歩受賞には至らなかったものであります。

 この授賞事業は今年度も行うことになっています。賛助会員、正会員を問わず、多数の方々からの応募があり、関西のまちづくりの活性化、高度化を通じて、都市計画の進歩・発展に大いに寄与することを期待します。




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