1999/9 No.14 日本都市計画学会 関西支部だより

関西まちづくり賞
組織ではないネットワークとして

小林 郁雄 (阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワーク世話人まちづくり会社コー・プラン代表)


 私達支援ネットのメンバーの多くは、水谷頴介の弟子である。水谷さんが1993年の2月に亡くなった時、朝日新聞の大西若人さんが「都市計画家の宿命」という追悼文をコラムに書いた。「都市計画では多様な声を吸い上げる必要があるし」「裏方の作業が重要なこともある」、「建築家のように個人の名が残ることは少ない」「業績や影響力のわりに水谷さんの名前が知られていないのは、『都市計画家の宿命』(長谷川尭さん)だったのかもしれない」と。このたび新設された関西まちづくり賞の名誉ある第1回を受賞して、真っ先に思い出したのが、このことであった。選考する時に、何を表彰するのか?という悩み以上に、誰を表彰するのか?という基本的宿命が、都市計画でさえ大きいのに「まちづくり」ではなおさらだったのでは?と想像します。

 世話している当人たちでさえネットワークのメンバーは一体誰なのか、何人いるのか?全体を把握していない。ましてや会則や代表もない。組織とはとてもいえない、雲か電磁場のようなネットワークを、ご評価いただいたことに感激いたしております。と同時に、鳴海先生手作りの力作であるいただいた表彰状(表彰パネル?)を、一体誰が、何処に、どないして飾って置いたら良いのだろうか?と悩んでおります。

 阪神大震災のような予期せぬ未曾有の事態に、本能的に開始した私達のこのようなネットワークが、21世紀の市民ネットワーク社会を予感させる新たな組織形態であると確信して、受賞を期に今しばらくは継続していく覚悟を改めて致しております。




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