2001/1 No.15 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
重要な鍵をにぎる『新地方自治体系』の将来像−計画行政のベースとなる地方自治体系の再編時代−

浅野  聡 三重大学


 超高齢社会の進展など21世紀社会の心配ごとはつきないが、特に都市計画分野に限定すると、都市計画決定権を持つ都道府県知事や市町村首長の将来像、すなわち地方自治体系の将来像が最大の関心事である。当面の大きな課題は、総務省(旧自治省)政策によって2005年までの期限となっている市町村合併の姿である。三重県でも合併パターンの基本的考え方が、県によって示された。全国的にみて2005年までに足並みがそろわない場合は、総務省は2010年ぐらいまで合併推進を延長する可能性もあるだろう。

 都市計画区域と行政区域の在り方は表裏一体であり、合併して新しい広域市が誕生すると、当然ながら都市計画区域も再編する必要が出てくるはずだ。誕生した広域市は、農山魚村と都市を広域に渡って併せ持つため、農山魚村計画と都市計画を本格的に一体化していくことが大きな課題だ。両者を一体化してコントロールできれば、地域環境に多大な負荷をかけないコンパクトな都市づくりを実現する上でも追い風がふく。

 現在のところ総務省が示しているのは、現状の1/3程度に市町村総数を再編する方針であるため、平均して3つ程度の市町村合併であれば、新たに誕生した広域市は合併後も力不足であり、隣接の広域市と連携しながら広域行政を継続することを余儀なくされるケースも多いはずだ。ゴミ処理、消防、福祉、葬祭場などにおいては、すでに3つをこえる市町村数で広域行政を実践している地域も多い。地域状況にもよるが、実際は3市町村数以上の広範囲な合併になるのではないだろうか。

 さて、市町村再編後の最重要課題は、都道府県再編の将来像である。道州制などが叫ばれているが、どのような姿になるのだろうか。県と広域市の役割分担が確立され、ある程度の経験を積んだ後で、都道府県の将来像を見極めていくこととなるだろう。21世紀は、計画行政のベースとなる新地方自治体系を段階的に確立する画期的な時代としたいと強く願うとともに、その実践に努めていきたい。




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