2001/1 No.15 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
行政と住民は緊張関係へ

藤本 真里  姫路工業大学


 研究所がある三田を中心に住民主体型まちづくりの現場に関わり、日々、様々な課題に対応する様は、あみだくじでとにかく下方向へ進むがごとく、とにかく住民が主体的に関わるしくみづくりにつながるようにひとつひとつを判断するという具合である。そんな中で21世紀を展望しようとしても、あみだくじの先に何が出るかわからず、私にとって難しい課題である。

 ただ、最近、住民主体型まちづくりとは一体何なのかと、わからなくなることが多い。行政が、行政課題に基づいて、住民メンバーまで選定して集めて、住民主体で取り組んでほしいと訴える…、住民参加のあり方について議論する住民がその作業を一部の人に任せてしまう…、おかしい、あるべき姿に到達する過渡期の混乱ともいえ、失敗しても取り組む意義はあるかもしれない。それにしても、罪深い失敗が多い。

 そんな場面に直面しながら、これからしばらくの視点として、タイトルに掲げた「行政と住民の緊張関係」を意識したい。対立するというニュアンスは含んでいない。例えば、行政による支援のあり方である。資金、技術等々、形はさまざまである。支援するのは何か到達目標があってするもので、支援した成果は評価されなければならないし、その如何によっては、打ち切る可能性もあるという緊張関係である。もちろん評価方法は本質を見抜くことが必要である。行政もばらまき支援では評価できない。支援する・される関係の中で、しくみづくりにつながる様々なことを相互に学習できる。実践はまちづくり学習の最高の場である。学習効果のない支援はしない方がよいともいえる。

 また、NPOの活躍が今後期待される。制度上の改善も必至である。行政機関からNPOへの委託がさかんになるだろう。ここには緊張関係がある。信頼できない組織に委託は出ないし、その成果は確実に評価される。委託事業をこなせるNPOの増加は、まちづくりのしくみを変革するだろう。

 冒頭、まちづくりの現状の批判からはじめてしまったが、すごい!!と感動する住民にも多く出会えている。あみだくじの先はあたりかも知れないと期待しながら進んでいる。




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