2002/1 No.16 日本都市計画学会 関西支部だより

特集
御蔵学校の取り組み

田中 保三  まち・コミュニケーション


 1998年8月22〜24日を「震災が問うたこと」を「震災のまち」で知ると銘打って震災ボランティアのまち・コミュニケーション(以下まち・コミ)の若者二人(小野幸一郎と浅野幸子)が全国の若者に被災地の現状を知って欲しい一念で第一回御蔵学校を開催した。被災地の二年半を振り返り、住民によるまちづくりをテーマに北区鹿の子台の大規模仮設住宅を見学、一部全焼を含め八割全壊の灘区琵琶町のまちづくり、またまちづくり30年の歴史を誇り震災で被害を最小限に止めその模範として一躍全国に名を轟かせた真野地区を歩き、その取り組みや思いを語って頂いた。最終日は「神戸の経験を生かすために」と題してワークショップを行った。全国から学生を中心に10名余の参加を得て現場体験を活かして欲しいと思った。その後年二回の開催を続け今日に至っている。講師陣も多彩を極め地元の方から斯界の先生方、行政マンと幅広く来て頂いている。中でも圧巻は2000年1月15日震災で生まれた共同住宅みくら5(神戸市長田区御蔵通)で行った第六回御蔵学校は第一講座「都市防災」(震災が都市に教えてたこと〜死者6500人が語るもの〜)室崎神大教授、第二講座「都市計画」(復興まちづくりと神戸都市計画〜これからのまちづくり〜)広原前京都府大学長、第三講座「都市経済」(被災都市経済再生に向けて〜経済復興・この五年の検証を踏まえて〜)遠藤元日銀神戸支店長。

 小さい部屋に50人余の参加を得て一日中熱気に沸いた。第九回は昨年8月25、26日「都市再生と市民社会」を取り上げ内閣官房都市再生本部から藤井正男氏、神戸まちづくり研の野崎氏、浦野正樹早大教授、地元から柴本自治会長が加わった。また、まち・コミスタッフから研究途上のGISで示す住宅再建状況の説明もあった。今第十回に備えまち・コミの若者が企画を凝らしている。彼らの行動力とまちの人たちの下支え、それに若い参加者の学ぶ姿勢があってさらに講師陣の若者を育てる熱意に支えられ御蔵学校は続いている。

 若い人たちが一流に接し、本物を見極めることの大事さを知る。震災を契機にいろんな人との出会いが合っていろんなことを吸収して自分を変化させる。「御蔵学校」はまず現場へ行こう、そして現場で考えよう、その上で現実的な解決策を探し行動に移そうと願っています。




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