事業の背景 |
JR鍛冶屋線は、もともと大正2年に播州鉄道が加古川〜西脇駅間を敷設したことに始まり、大正12年5月6日に鍛冶屋まで開通した。しかし、国鉄民営化直前に盛り上がった赤字ローカル路線切捨の気運により、野村〜鍛冶屋駅間13.2kmが平成2年3月31日をもって廃線となった。 廃線敷地は、バス路線や自転車歩行者道等に整備された。その中で、中町の玄関として地域住民に密着した場所であった旧中村町駅跡は「メモリアル公園」、「住民の交流の場」として整備してほしいとの声が地域よりあがってきた。 そこで、従来の行政主導型ではなく地域住民と行政とが協働し公園づくりを進めていくこととし、本モデル事業による取り組みが始まった。 |
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事業推進方法 |
事業は下記の@〜Cのプロセスで進められた。 |
@公園整備素案の作成 |
施設整備計画素案の作成のため、既存の「中村町むらづくり協議会」を母体とした「あかね坂公園整備検討会」を設置した。この検討会に行政は参加しておらず、検討会独自で住民意見の集約やワークショップ形式により様々な視点からの検討を行い、公園整備のコンセプト設定及び整備計画の素案を作成した。 |
A公園施設整備計画の作成 |
上記@のあかね坂公園整備検討会委員に県、町、コンサルタントが加わった全体会議では、事業推進方針を決定し、検討会で作成された素案を元に施設整備計画を策定するとともに、施設整備後の利活用・維持管理計画に対しての役割分担を調整した。 |
B工事実施 |
策定された施設整備計画に基づき県において実施設計をとりまとめ、整備工事発注後に、県とむらづくり協議会による実施検討会を開催し、遊具の設置位置等について工事段階での確認を現場で行った。検討会が工事の進捗状況を逐次HPに掲載していたため、県が現場監督をしないでもよかったという笑い話もある。 |
Cセミナーの開催 |
計画検討や施設整備後の住民による花壇整備のため「むらづくり協議会」が学識経験者を講師としたセミナーを開催し緑化計画の手法等を学んでいる。 |
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施設整備計画 |
上記検討会等を経て策定された施設整備計画では、事業地を大きくを南北に分け、南側はイベントエリアとしてメインツリー、四阿を配した芝生広場、等を整備し、北側はメモリアル・コミュニティーエリアとして駅跡を示す記念碑、線路模様のインターロッキングによる歩道等を計画した。 |
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利活用(3世代交流クリスマス会) |
工事完了した南ブロックでは、地域住民による以下のような利活用が始まっている。 メインツリーをクリスマスツリーとして電飾を施し、地元中学校吹奏楽部によるコンサートなどにより世代を超えた約500名が参加し地域の交流を図った。また、クリスマス会に先立ち住民自らが公園の植栽を行ったり、丸太でサンタクロースを作成した。 |

あかね坂公園での3世代交流クリスマス会 |
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維持管理 |
維持管理については、検討会で出された維持管理計画に基づき、各者協力の下で施設が今後も快適な状態を保たれる事となっている。 |
項 目 |
県 | 地元 | 町 |
親水施設管理 | 水車 |
○ | ○ |
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電機設備管理 | イルミネーション |
| ○ |
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花壇の管理 | 植替え |
| ○ | ○ |
広場の管理 |
○ | ○ | ○ |
イベント広場の活用 |
| ○ | ○ |
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おわりに |
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