2002/1 No.16 日本都市計画学会 関西支部だより

支部活動報告
企画事業委員会から


●日本都市計画学会関西支部 2000年度 第2回都市計画講演会の報告

 <地域通貨とまちづくり─滋賀県草津市の地域通貨「おうみ」の実践>

 地域通貨とは、エコマネー、LETS、時間預託制度、タイムダラーなど、さまざまな名称で呼ばれているものの総称で、特定のコミュニティに限定して利用できる通貨のことである。利子を生まず、物やサービスの交換手段としての機能しか持たないことに特徴があり、地域通貨をコミュニティ内で循環させることによって、コミュニティの再生や地域経済の活性化などをはかる狙いがある。日本でも、ここ1〜2年の間に、各地でさまざまな地域通貨が生まれており、その中でも、1999年に滋賀県草津市の草津コミュニティ支援センターで導入された地域通貨「おうみ」は、紙券発行型の地域通貨の先駆的な事例として注目をあびている。

 本講演会は、地域通貨おうみ委員会事務局の山本正雄氏および山口洋典氏を講師に招いて、「地域通貨とまちづくり─滋賀県草津市の地域通貨「おうみ」の実践─」と題して、2001年3月2日午後2時から4時半まで、大阪市立大学文化交流センター・ホールにて行った。講演の内容は、「おうみ」の仕組みや課題、地域通貨の歴史や米国の事例など、非常に多岐にわたるが、特に、日本における地域通貨の課題として、1)前払い式証票の規制等に関する法律、税法、労働基準法など、現行のさまざまな法律との調整、2)運営主体や運営方法の継続性や信頼性の確保、3)地域通貨の経済的・社会的効果などの理論面での整理、が指摘された。また、講演後の質疑応答では、法律の解釈をめぐる行政当局との交渉、紙券の発行量の調整方法、商店街活性化との関連、スタッフの給料の問題などが話題となった。質疑応答の内容は、関西支部のホームページで公開しているので、興味のある方はご覧いただきたい。

(文:中村 仁)

●1999年度 第2回都市計画シンポジウム報告

 <京都市都心の活性化と交通政策─社会実験から今後のまちづくりを考える>

 記念式典には、支部顧問の先生方4名と記念論文表彰者9名をお招きし、懇親会とも93名の出席を賜り盛会となりました。岩本康男式典支部長の司会により、設立に多大の貢献をされた天野光三顧問、紙野桂人顧問の祝辞を頂き、各部会の部会長からも10周年記念事業の各部会の活動紹介が行われました。100年部会は榊原和彦部会長、増田昇副部会長から各都市計画担当者の協力を得て、100年に及ぶ関西都市計画の流れを分かり易く整理したことが報告されました。まちづくりの知恵部会は正木啓子部会長、堀口浩司副部会長から、将来展望部会は小浦久子部会長、神吉紀世子副部会長から、これらのテーマの重要性と取り組みの難しさについて説明がありました。10年のあゆみ部会は福島部会長から、記念論文委員会は中川部会長からそれぞれ報告があり、各部会の記念出版物はそれぞれ好評を得ました。続いての懇親会の席上では平峯悠顧問のご発声で乾杯が行われ、引き続き記念論文表彰式が和やかに行われ、9名の受賞者が感想を述べました。

基調報告1:岡本 晋・京都市都市計画局理事
基調報告2:斉田六史郎・河原町商店街振興組合理事長
総合司会:増田 昇(大阪府立大学)
コーディネーター:中川 大(京都大学)
パネリスト(五十音順):小谷通泰(神戸商船大学)、斉田六史郎、酒井 弘(システム科学研究所)、高橋亮太郎(四条繁栄会商店街振興組合)、田中耕造(京都市都市計画局)、西嶋直和(本能まちづくり委員会)、能村 聡(京のアジェンダ21フォーラム)、松山哲也(京都新聞社)、宗田好史(京都府立大学)
日時:2001年3月21日(水)
会場:元京都市立龍池小学校
主催:都市計画学会関西支部
共催:国土交通省近畿整備局、京都市
後援:京都新聞社・KBS京都放送・(社)システム科学研究所

 (なお、本シンポジウムは講演録を作成しています。ご希望の方は、京都大学・中川 大 nakagawa@utel.kuciv.kyoto-u.ac.jpまでお知らせください。)

(文:中川 大)




前ページ


16号・表紙


次ページ

Copyright(C)2002 (社)日本都市計画学会関西支部